規制データが消滅する致命的不具合とは・・・

2005年4月29日更新


このカーナビはVICS機能を売りにした商品ですが、そのVICS機能の致命的な不具合を発見してしまいました。

このナビには
受信したVICSデータ全てを表示するだけの描画用メモリー(以下 VRAM)が十分に搭載されておらず、

VRAMの消費を抑えるためVICS表示にある制約があります。

しかし
ある条件のVICS規制を受信した場合、VRAMが不足して規制データが画面から消滅する不具合が発生します。



消滅する規制データの種類は工事・片側交互通行・チェーン規制・事故・通行止めなど様々です。

工事・片側交互通行、交通事故など注意を促すデータの消滅は、ドライバーにとってさほど影響はありませんが、

雪道になれていない私にはチェーン規制の消滅は非常に不便です。

更には、
通行止めのデータ消滅によりカーナビの機能(道案内)が損なわれてしまいます。



この不具合はメーカー側も認めており、後に不具合対策ROMを送ってもらいましたが全く改善されていませんでした。

このナビはDVDナビですが、現行のHDDナビでも同じVICS処理方式が採用されており同様の不具合が発生します。

VICS表示の仕様を変更するかスクロール等のレスポンスを悪化させる等、どこかを犠牲にしない限り

ハードウェア(ナビ本体)の仕様変更なしでは不具合対策は困難ではないかと予想しています。

これは実際にカーナビ開発に携わっていた友人の意見を参考にした予想です。あくまでも予想ですので…

やはりVICS機能を売りにしたカーナビにVICS機能の不具合があってはまずいでしょう。

この不具合をメーカーに指摘(2004年2月)して1年が経とうとしてますが、未だに不具合の対策は施されておりません。



※規制が消滅する条件

このナビは規制区間に黄色線が表示されます。順調・混雑・渋滞を表す矢印(緑・橙・赤)のことではありません。

この区間線が大量に表示されると大量にVRAMが消費され、メモリーがオーバーフロー(規制の消滅)します。

台風や降雪等で広範囲にわたって高速道路に規制(速度規制・通行止め)が発生すると確実にこの現象が発生します。

要するに長い区間の規制が発生すれば確実にこの現象が再現できます。

また2月、3月はチェーン規制と年度末工事が重なり、非常に高い確率で再現できます。

2005年4月下旬から高速道路において、50km速度規制に加え80km速度規制も提供されるようになり、

広範囲にわたり高速道路で規制が発生する確率が大幅に上がりました。



メーカー曰く、この不具合の発生頻度は非常に希なケース・・・との事なのですが、上記で説明したとおり再現性は高く

ユーザーが気付かないだけで(気付いたとしても気にならない)、使用地域によっては頻繁に起こっている現象だと思います。

実際にVICS熊本・VICS福岡・VICS佐賀の3県で再現を確認しています。メーカー側もVICS愛知で確認しています。



それでは通行止めのデータ消滅がどのような結果をもたらすのかイラストを使って説明します。

S・・・出発地(自車位置) G・・・目的地

[例−1]
正しく表示されたときの画面です。
A〜B上下線で通行止めが発生しています。
現在地Sから目的地Gまでの探索ルートです。
当然ですがA〜B上下線とも通行止めなので、
Cを経由したルートになっています。
出発、Aは直進できないためナビの案内通り右折します。
走行中・・・
走行中・・・
Cを左折します。
Bを右折します。
目的地到着です。
[例−2]
FM-VICSでA〜B通行止めが配信されているのですが、
A〜Bの規制情報が消滅している不具合の画面です。
規制マークも区間線も表示されないため、
あたかも規制がないように思われます。

※実際の画面では規制マークは消滅していますが、
  イラストでは分かり易く半透明で表現しています。
現在地Sから目的地Gまでの探索ルートです。
A〜Bの規制情報が消滅しているため、
規制を無視した最短ルートになっています。
出発、Aは直進できないためナビの案内を無視して右折します。
走行中・・・
リルートが働きました。Uターンを促しています。
UターンしてもA〜Bは通行できないので、
仕方なくドライバーの意思で直進します。
しかし、それでもUターンを促します。
全くナビとして機能していません。
さらに無視して直進・・・
やっと進行方向に対しての案内がはじまりました。
Cを左折します。
Bを右折します。
ナビの役目なしで目的地到着です。
[例−3]
FM-VICSでA〜B通行止めが配信されているのですが、
B→A方向の規制情報が消滅している不具合の画面です。
A方向の区間線(黄線)が消滅しています。

規制データは同じ路線でも、上り・下り独立した情報を持っています。
現在地Sから目的地Gまでの探索ルートです。
結果的に進行方向(B方向)の規制情報が生きているため、
A〜Bを避けてCを経由したルートになっています。
出発、Aは直進できないためナビの案内通り右折します。
走行中・・・
走行中・・・
Cを左折します。
Bを右折します。
目的地到着です。
するどい人ならお分かりでしょうが、GからSまでの帰り道では、
規制を無視したこのような探索ルートになってしまい、
ドライバーの意思でCを経由して走行する必要があり、
ナビとして全く機能しません。


尚、この件に関するご質問には一切お答えすることができません。

また内容に誤った表現があるかもしれません。ご意見はこちらまでお願いします。

ここではメーカー名・型式等は公開しておりません。

したがって内容に関してメーカー・販売店等へのお問い合わせはご遠慮ください。

ご自身で実機を使って検証した結果、確実に不具合が確認できた上でお問い合わせください。